鶏や煮干しなどの動物系の出汁と醤油を併せて作る、このシンプルな和風のラーメンは、シンプルなだけに職人の技の巧拙、いかに丁寧に作られたかがよく分かる繊細な食べ物だと思う。例えば、ギトギトの背脂マシマシ大盛りラーメンなんかだと、味がのっぺりとベタ塗りされている感じがあるけれど、これはそういう感じがしない。シンプルだけど深い味わいがあると思う。
今住んでいる箱根周辺は、うお静のような都会から僕と同じように都会を脱出して、この風光明媚な場所に店をこじんまりと出して、人気になっている名店が多い。東京と違って集中はしておらず湘南地区に点在している感じであるが、「なんでこんなところにこんな(美味しい)お店があるの?」みたいなところが結構あるのである。
今回訪問したのは、熱海の網代(あじろ)という場所にある、「中華そば うお静」さんである。例のごとく美食家で相場師の猫師匠に教えてもらったお店であるから、かなり期待感高めで訪問した。
中華そば うお静:訪問時は事前にお店のインスタグラムを確認しよう
箱根からは西湘バイパスを熱海方面に下っていく。渋滞にならず普通に行けば、40分から50分ほどの道程である。
途中、朝日に輝く相模湾を見ながら、クルマを飛ばしてほどなく、店舗前に到着。
まだ開店のだいぶ前だったので、クルマを店舗前に横付して駐車場の場所を確認しようとしたら、張り紙が!


休業のおしらせ
爆! どうやら店主の奥さんが体調不良らしく、この日は休業とのこと(泣)
あとから気づいたんだけど、最近の飲食店はツイッター(X)やインスタグラムなんかで、お店の情報をタイムリーに発信していることが多い。うお静もインスタグラムのアカウントがあるので、事前に休業の情報も投稿されていたようである。
気を取り直して再訪! 鶏だし醤油ラーメンにありついた @うお静 とり静
気を取り直して、後日に再訪することにした。
僕は箱根から熱海を抜けて網代に向かうのだが、午前中は結構、道が混んでるんだよね。
ちょっと早めに出発したので、なんとか大きな渋滞に巻き込まれずに到着。
お店に駐車場はあるにはあるが3台ぐらいしか停められずたいてい満杯のため、海岸沿いの有料駐車場に停める。





いつものごとく、お店の前に数人並んでいたが、10分程度で入店が出来た。
ここからさらに15分ほど待ってようやく着席。あらかじめお店の券売機で醤油ラーメンをお願いして、さらに10分ほど、カウンター内の大将の流れるような仕事を眺めながら待つ。
やっと待ちに待った、うお静のラーメンが着丼。
鶏だし醤油 @中華そば うお静

もうね、言う事ないくらい、この美しいルックス。
職人の大将のきちんとした仕事の証である。
まぁ、この醤油ラーメンは今までで最高に美味かったと言っても良いだろう。湯河原の飯田商店、鴨宮のコタローと同等かそれ以上と評価しておこう。これは本物のラーメンだね。
いや、ラーメンと言うか、ラーメンなんだが、ちゃんとした職人が作った「料理」になっている。
実にうまい。




あっという間に、完飲完食。
今日はこれで終わりか、というとそうではない。まだ腹に余裕があるので今日は連食することにした。
いったん外に出て並び直す。おそらくこの列だと30分もかからないで入店できるだろう。
貝だし塩ラーメン @中華そば うお静

特上の貝だし塩ラーメンもサイコーー!
これは非常に上品でしっかり貝の出汁が効いたスープである。濃すぎずかといって深みがある、ちょうど良い具合にしっかり調味調理されたものだ。上モノの鴨チャーシューにこの麺もすごくウマい。これならあと2杯ぐらいはぺろりといけそうだ(太るんでやらないけどもw)。






〆の鶏出汁茶漬け @中華そば うお

こちらは、所謂ごはんモノの、鶏出汁茶漬け。
さすがこちらのお店はごはんモノといっても、たんなるライスなはずがなく、しっかりした料理。まるで料亭で呑んだあとに頼んだら出てくるような、気品さえ感じられるような茶漬けであった。
人生でこんなウマい茶漬け食ったのは初めてである。



まとめ:とにかくまた再訪したい淡麗系ではこれ以上は無いラーメン
湯河原の飯田商店のラーメンを食べたときも同様な感想を持ったんだけど、やっぱりいわゆるラーメンの概念を覆すと言うか、一般大衆が食べるような、それこそ袋麺やカップ麺、ロードサイドのチェーン店などのラーメンという名の工業製品とは、まったく一線を画する年季のはいった熟練の職人が作る芸術作品と言って良いかもしれない。カウンター越しに大将のテキパキした仕事を見ていると、やっぱり作る職人その人の気合、「気持ちを入れて作ってる」のが感じ取れるんだよね。
それが味にも反映されていると思量する次第である。
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