長い歴史のある高級キーボードの代名詞 HHKB – Happy Hacking Keyboard
僕が社会人になりIT業界に入ったのは、今から遡ること約30年前。当時はまだWindowsは3.1、IBMのOS/2がまだ現役(若い人はしらないだろうが)、Linuxなんてまだ無かった時代である。
そうこうしているうちに1995年にWindows95が発売され、Internetが本格的に普及を始めていく。当時はいわゆるパソコンオタクでよく秋葉原に出掛けてはマザーボードやメモリ、PCケースを調達してきてPCを自分で組み上げたものである。一方で会社ではUNIXを扱っていたからその方面にも非常に興味があり、UNIX系の秋葉原のお店にもよく通っていたが、そのひとつが今回紹介するキーボードの販売元であるPFUなのである。よってこのメーカーはもともとUNIX専門店なのだ。そしてこのHHKB(Happy Hacking Keyboard)であるが、相当に歴史のあるキーボードである。もう20年ぐらい前から商品ラインアップとしてはあるはず、、すなわちこんなにもメジャーになってきたのはここ数年なんだと思う。
なのでずいぶん前から名前だけは知っていて、興味はあったものの、会社に出社しての仕事でノートPCをメインに使っていたから、外付けのキーボードは必要なかった。ところが2020年からのコロナの流行により在宅勤務を余儀なくされる中で、少しでも在宅勤務環境を良くしようと思ったことと、最近始めたこのブログの執筆環境を改善しよう、という2点が今回この高級キーボードを購入したきっかけである。
購入記録:HHKB Professional HYBRID Type-S 日本語配列/墨
さて、このHHKBもいくつかラインナップがあるが、大きく分けてカチカチとメカニカルな打鍵音があるノーマルタイプ、この打鍵音が少ない静音タイプのType-Sのまずこの2種類。
さらに接続方式により、Bluetooth接続+USB Type-Cの両方の接続が使えるHYBRIDと、そうでないBluetooth接続のみのタイプの2種類、計これらの組み合わせで4種類のラインアップになっている(正確にはさらにキートップの刻印あり、なしが加わる)
そしてカラーラインアップであるが、今日現在ではおそらく日本の墨を使う筆をイメージした墨、純白の雪、さらにキーボードによく使われるクリームっぽい白の三色が揃えられている。
僕は在宅勤務で使用することもあり、静音タイプのType-S、接続方式はBlueTooth/USB両方使えたほうが便利と思ったのでHYBRIDにした。色にはコダワリがあって、、、この機器は僕は単にキーボードと捉えてはおらず、どちらかというと作家が使う筆記用具、もしくは画家が使う筆、と同じように捉えているので、特にブログを執筆するときはとくにそう思う、筆もしくは万年筆と同じイメージで、色は墨のタイプをチョイスした。
つまるところ型番としては「HHKB Professional HYBRID Type-S 日本語配列/墨」を選んだわけであるが、これがラインナップでは一番高価なもので、キーボードにしては高額の35,200円であった(購入はAmazon経由のPFU Direct)。
打鍵の感覚・タイプしてみた感想を書いてみる HHKB HYBRID Type-S
すでにこのキーボードが手元に届いてから、2,000字程度のブログ記事を10本ほど執筆しているし、仕事でも使っているから、そろそろ感想を書いてみようと思う。
ひと言で言うと思ったとおりで、非常に使いやすい。筆記用具に例えるならば、「スラスラと書ける」こんなイメージで、打鍵タイプの一つ一つの動作にまったくもってストレスが無い、どころか、タイプしていてとても気持ちが良いのである。もちろんブラインドタッチできることが前提である。
僕ぐらいの年齢の人でキーボードにうるさい向きには、昔、IBM US101 Keyboard というIBM製の英語配列のメカニカルキーボードがあったことはご存知であろう。たぶんメカニカルキーボードのスタンダード的な存在であったのだが、このHHKBはあの打鍵感覚に少し似ているように思う。いや、Type-Sなのであんなにカチカチしない。カチカチというかこれは「スコスコ」するというのが正しいのであるから、まったくUS101キーボードとは別物なんだけれども、なんというかキーの配置、それから打鍵の深さ、打鍵のリニアリティ(打った感覚と表示されるまでのディレイ)などが、US101のそれを想起させるのである。文字を打鍵して認識される打鍵の深さも絶妙なものにチューニングされているようである。浅く軽く打鍵してもちゃんと認識されて表示されるし、もちろん深く打っても大丈夫。
それでいてとてもコンパクトに仕上がっており、持ち運びもしやすいので、出張や旅、ブロガーであれば遠方への取材に行くときになんかでもじゅうぶんに持っていく気になれるサイズ感だ。
リモートワークやブログ執筆・プログラミングに HHKB HYBRID Type-S
良いキーボードをゲットできた。少々値段は張るが、これなら大切に使えば10年ぐらい使えるだろう。
僕はおもにブログの執筆目的でこの筆記用具をゲットしたんだけれども、この静音性を生かしてのリモートワーク環境下での仕事での使用はもちろんのこと、プログラマーなど文字をたくさん打鍵する人には非常にストレスが無く快適に使えることは間違いないと思う。一昔まえのBluetooth接続のキーボードにありがちな、文字が途切れたり、また意図せず連続して入力されてしまうようなトラブルも今のところ皆無である。使用感としてとても安定していると言ってよいだろう。
僕は高級万年筆のペリカンを数本もっていて仕事に使用しているが、同じ筆記用具として見た場合に、このHHKBはペリカンに匹敵するぐらい心地の良い執筆体験を書き手に提供してくれる。あまりに気持ち良いので、もう一台色違いのHHKBを購入しようか、現在思案しているところである。
HHKBのお供に、FILCO 漆塗りリストレスト摺漆塗り Sサイズ
ところでこのHHKB、やはりAppleのMagic Keyboardなんかの薄っぺらいキーボードと違って、高さがあるので、机に置いてタイプする場合、手首に角度ができて手首がキーボードより沈むのでやや打ちにくく感じる。
よってパームレストのような手首を置く台が必要であるが、僕はこのFILCOの漆塗りの木製のパームリストを購入して、非常に快適にタイプができる状態を整えた。どうやらHHKB使いの方々には定番のアイテムらしいな。ハードタイピストであれば、必携の小道具であると言えるだろう。
FILCO 漆塗りリストレスト 摺漆塗り Sサイズ 幅(300mm) 日本製 FWPR/S-SUR
まとめ:高級筆記用具 HHKBは最高のタイピング環境を与えてくれた
HHKBについては、冒頭に書いたようにずいぶん昔から知っていて、筆者の中ではもはや憧れのキーボードであったが、今こうして実際に入手して使用してみると、買ってよかったなぁと心底思う。
クルマのドライバーは、地面に設置したタイヤから路面の状況を掴んで運転するから、良いドライバーはタイヤにお金を掛けるし、文筆家なら筆記用具に良いものを使うだろう。これと同様にブロガーを筆頭に打鍵することが仕事の一部のすべての人は、このカラダの一部が接触し動作する入力装置にお金を掛けるべきである。
そしてこのHHKBこそ、プロが使うキーボードとして、プロの道具として相ふさわしいだろう。
まだまだHHKBに関しては、書きたいことがあるが、おいおい追記していこうと思う。
Amazonリンク HHKB Professional HYBRID Type-S 日本語配列/墨
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